令和7年度の ESAT-J 本試験は、2025年11月23日に実施されました。この回の問題と解答例は、東京都が PDF で無料公開しています。
まず公式の資料を手元に開いてください。このページは、公式資料を読みながら使う解説です。
- 問題と解答例(PDF)
- 各パートにおける解答例と採点のポイント(PDF)
- 採点基準(PDF)
- Part A 模範音読:No.1 女性/No.1 男性/No.2 女性/No.2 男性
1 つ目の PDF に問題と解答例が、2 つ目の PDF にレベル別の解答例と採点のポイントが載っています。この 2 つ目の資料が、じつはいちばん学習に役立ちます。ただし読み方に少しクセがあるので、先に次の章を読んでください。
公式資料の読み方(最初にこれだけ)
公式の解答例を初めて読むと、とまどうところが 4 つあります。ここでつまずいて読むのをやめてしまう人が多いので、先に説明します。
- 解答例には、わざと誤りが残されています。公式の解答例は、実際の受験者の解答をもとに作られています。「誤りがあっても、できていることが評価される」ことを見せるための資料なので、正しいお手本だけが並んでいるわけではありません。赤字は、誤りや、正しい表現への直しです。
- 「…」は、話が止まって間があいたことを表します。うまく言えずに詰まった箇所も、そのまま書かれています。
- [ ]は、採点者が聞き取りにくかった発音です。
- A2.2 や A1.3 という記号は、英語力のレベルを表す物差しです。上から A2.2 → A2.1 → A1.3 → A1.2 → A1.1 → PreA1 の順で、A2.2 がいちばん上です。成績表のグレード(A〜F)とは別の物差しなので、ここでは「上のレベルと下のレベルで何が違うか」を見るために使えば十分です。
読み方がわかると、この資料は「どこまでできれば、どう評価されるか」を具体的に見られる、ほかにない材料になります。
Part A 音読
音読が 2 問。準備時間 30 秒、録音時間 30 秒です。No.1 は、日本に来たばかりの留学生エミリーを全校生徒に紹介する動画の原稿、No.2 は、自分が入っているボランティア部の地域活動を海外の生徒に紹介する動画の原稿を読み上げます。英文は公式 PDF で確認してください。
公式資料によると、Part A で測っているのは「聞いている人に意味や内容が伝わるように音読する力」で、発音だけでなく、読む速さと間の取り方も評価の対象です。評価は音声の観点で 4 段階です。
レベル別の解答例を見ると、評価の分かれ目がはっきりわかります。
- 上位の解答例にも、発音の誤りや不自然な間は残っています。それでも「意味を効果的に伝えている」と評価されています。つまり、完璧に読めたかではなく、意味が伝わったかで評価されています。
- 下位になる理由は「個々の単語の発音が分かりにくい」「速さや間が不自然で、意味が伝わりにくい」です。
- 最下位の欄には「十分な量が音読されていないので、評価することができない」とあります。途中で止めてしまうことが、いちばん損です。
- 準備時間の 30 秒で、意味のかたまりごとに区切りを決めておきましょう。区切りの位置で息つぎをすると、間が自然になります。
- 知らない単語が出ても、止まらずにそれらしく読んで先へ進んでください。1 語の正確さより、最後まで読み切ることのほうが評価に効きます。
- 公式は模範音読の音声も公開しています。上の公式資料ボックスから聞いて、自分の録音と比べると、速さの目安がつかめます。
くわしい練習方法は Part A 対策ページ にあります。
Part B 会話
会話の問題が 5 問。質問に答える問題が 4 問と、自分から質問する問題が 1 問です。答える問題に準備時間はなく、解答時間は各 15 秒以内。質問する問題だけ準備時間が 10 秒あります。この回は、ニュージーランド留学中に友達のノラと科学博物館の体験イベントのパンフレットを見ながら話す設定で、前半 2 問はパンフレットの内容、後半 2 問は自分自身について聞かれ、最後の 1 問は「日本の中で行ってみたい場所」をノラに英語で質問します。
Part B は「図の情報を読み取って応答する力」と「自分から質問する力」を測る問題で、評価は 5 段階です。
レベル別の解答例を見ると、分かれ目は単純です。5 問のうち、いくつ適切に答えられたか。上位は 5 問すべて、その下は 4 問、3 問、1 問、と段階が下がります。
もう 1 つ注目してほしいのは、上位の解答例がどれも短いことです。たとえば「I like to watch soccer.」のような 1 文で、適切な解答と評価されています。長く話す必要はありません。聞かれたことに、文の形で答えられれば十分です。
- 15 秒は思ったより短いです。1 文で答えて、余裕があれば 1 文足す、くらいの感覚がちょうどよいです。
- 最後の「自分から質問する問題」は毎年出ます。Where do you want to go? / What is your favorite 〜? のような疑問文の型を 2〜3 個、口に出して言えるようにしておくと、本番で 10 秒あれば組み立てられます。
- 質問を聞き逃しても無言にせず、聞き取れた単語から推測して何か答えましょう。「適切な解答」の数が評価を決めるので、白紙がいちばんもったいないです。
くわしくは Part B 対策ページ へ。
Part C ナレーション
4 コマのイラストを見て、ストーリーを英語で説明します。準備時間 30 秒、解答時間 40 秒。この回は、留学生のケイティに「先週の音楽の授業前の出来事」を説明する設定で、イラストの上に表示される Last week から話し始めます。イラストの流れは、音楽室に行く → 友達がピアノを弾いている → 自分が歌い始める → ほかの生徒も来て一緒に歌う、というものでした。
Part C は「過去の出来事を、流れを踏まえて説明する力」を測る問題で、評価は 6 段階です。レベル別の解答例から、評価が上がる条件が 3 つ読み取れます。
- 4 コマ全部にふれること。上位 2 つのレベルは「4 枚すべてについて説明している」、その下は「説明が不十分なところがある」「2 枚の出来事を説明している」と、コマの網羅が評価の土台になっています。
- 順序の言葉を使うこと。上位の解答例では Then、So、After that が「流れを順序立てて説明する表現」として高く評価されています。
- 言い直しはプラスに働くこと。上から 2 番目のレベルの解答例には言い直した箇所があり、「言い直せている」ことが採点のポイントに挙げられています。間違えたら言い直せばよい、と公式が示してくれています。
- 1 コマ 1 文で十分です。4 コマ × 1 文に、Then や After that をはさめば、40 秒に収まります。
- Last week のあとは、I went to 〜 と過去形で始めるのが定番です。準備時間 30 秒では、各コマの動詞(went / was playing / started / sang など)を先に決めておきましょう。
- 4 コマ目まで行き着けそうにないときも、あきらめずに 2 コマ目、3 コマ目と進んでください。ふれたコマの数が土台になります。
くわしくは Part C 対策ページ へ。
Part D 自分の意見を発表する問題
与えられたテーマについて、自分の意見と理由を述べます。準備時間 60 秒、解答時間 40 秒。この回のテーマは “What is a good way to learn more about our town?”(私たちの町についてもっと知るには、何がよい方法ですか)で、画面には the history museum(歴史博物館)、the library(図書館)、local people(地元の人)の 3 つのヒントが表示されました。ヒントから 1 つ選んでも、自分の考えを述べてもかまいません。(出典:令和7年度 ESAT-J YEAR 3 問題と解答例、東京都教育委員会)
Part D は「意見と、それを支える理由と例を述べる力」を測る問題で、評価は 6 段階です。
レベル別の解答例を並べて読むと、評価は「意見・理由・例・補足」をいくつ積めたかで、階段状に上がっていることがわかります。
- いちばん上のレベル:意見(I think …)+ 理由(This is because …)+ 例(For example, …)+ 補足(so we can …)まで積んでいます。
- その下:意見 + 理由 + 例。
- さらに下:意見 + 理由のみ。
- そこから下は、理由が分かりにくい → 理由がない → 問題文を読み上げただけ、と下がっていきます。
つまり、理由を 1 つ言えるかどうかが最初の大きな分かれ目で、その上を目指すなら例、さらに補足、という順に積んでいけばよいことになります。公式資料の末尾にも「質問に答えるだけでなく、関連した情報を加えて話すことで、より良く相手に伝えることができます」とあります。
- papa-eigo では、Part D の解答を「意見 → 理由 → 例 → 締め」の 4 ステップの型で組み立てる方法を紹介しています。この型は、上で見た公式の評価の階段とそのまま重なります。→ Part D 対策ページ
- 迷ったらヒントから選んでください。自分の考えをひねり出すより、3 つのうち理由を言いやすいものを選ぶほうが、60 秒の準備時間を型の組み立てに使えます。
- 令和6年度以降のテーマは、町、歴史、科学、英語学習と、どれも「みんなにとってよいこと」を聞く社会的なテーマです。ふだんから「〜のよい方法は?」と聞かれたら理由つきで答える練習をしておくと、本番のテーマが変わっても対応できます。
この回の練習に使えるアプリ
練習問題アプリでは、本番と同じ流れで Part A〜D を練習できます。過去問で自分の弱い Part がわかったら、その Part を集中して練習してください。
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このページは、東京都教育委員会が公開している令和7年度 ESAT-J YEAR 3 の公式資料をもとに作成しています。問題文の英文と音声・イラストは掲載していません。上のリンクから公式 PDF を開いて確認してください。